テストの花道 第19回 AO入試対策~自分を伝えるチカラ~
要約
自己分析してから文章構成を考え、順を追って書くことで、自分の考えが相手にわかりやすく、伝わりやすい文章にする。
応用可能な範囲
学生:志望動機(志望理由)、就職活動、小論文など
一般:志望動機(志望理由)、転職活動など
自己分析や志望理由を書いてみることによって目標が見つかったり、漠然としていた夢がはっきりとした目標になったり、やる気が出てくる、集中力が増すといったことにつながる場合もある。
練習問題
なし
AO 入試とは
AO とは Admissions Office(アドミッション・オフィス)の略で、入学事務局、入試担当事務局を指す。
AO 入試は、アドミッション・ポリシー(入学方針)に沿う学生を選抜する方法で、AO 入試は学力試験ではなく、書類(志望理由など)、面接、小論文などで選抜することが多い。選考基準はバラバラだが、意欲、目的意識、適性など、学力だけではわからないことを見て総合的に判断する。
しかし、基礎学力が低く講義について行けない、思いの外、個性的な学生が集まらない、選考には手間が掛かるがそれに見合うだけの学生が質、量ともに集まらない、などの理由から、近年では AO 入試を廃止、縮小、見直しをする大学が増えている。
大学の関係者の話など
- 志望理由は自分だけの知識や経験を踏まえて書く。誰かの真似や書き写し、一般的な話でもダメなので自分にしかない経験を具体的に書くと良い。
- 自分の適性や希望をよく分析するなどして、相手を納得させるだけの理由を書くことが必要。
- 過去と現在のことから未来を結びつけて書く。
- 志望理由は書類だけでなく面接の時にも問われるので、口頭で自分の言葉で説明できるようにしておく。
- その人の個性が出ていること、他の大学入試にも使い回せるような内容ではないこと、その人の入りたいという思いが表われていることが重要。
- 大学のカリキュラムや研究内容を調べ、何を学ぶ必要があるか、どんなことをしたいかが書いてあると説得力が出てくる。
- 大学の学生と実際に会って話を聞くと良い。
- オープンキャンパスや学園祭の時などは学生から話が聞けるだけでなく、大学内を歩き回れるので絶好の機会である。
- 教授や研究室が研究している内容を調べ、それが自分の求めているものであるということを志望理由に書くというのも良い。
- 「他の大学ではダメだ」「この大学のこの学科以外に選択肢はないんだ」というようなことが明確になっている必要がある。
志望理由書のポイント
以下の4項目を考えてから順番に書くと良い。
- 将来やりたいこと、夢、目標は何か?
- その理由は何か?(過去の経験などを具体的に書く)
- 夢を実現するためにするべきことは何か?
- 上記3項目から導かれる結論は何か?(なぜその大学なのか?)
自分自身をよく見つめ直し、自分に素直になることが必要。
時には記憶をたどったり連想したり、調査することも必要になる。
補足
- 大学へは学びに行くのであって遊びに行くわけではないので、クラブ活動等については付け足しておくだけにしておいた方が良い場合もあると思われる。
花道の種
その1 : なぜなぜシート
夢や目標を書き、そう考える理由や根拠を結びつけて書いていく。
関係のあるもの同士を線や矢印でつなぐとわかりやすい。
理由は1つでも複数でも良く、理由以外の
過去の経験や体験、記憶などを書いても良い。
書き方:
「夢や希望」→「理由1」→「理由1の理由」
→「理由1の理由」
→「理由2」→「理由2の理由」
→「過去の経験など」
→「理由1の理由」
→「理由2」→「理由2の理由」
→「過去の経験など」
例
「NHK 教育テレビ テストの花道 第19回 AO入試対策~自分を伝えるチカラ~」より引用
「ツアーコンダクター →「旅行が好き」→「計画を立てる
になりたい」 ことが好き」
→「郷土料理を
調べて発表した」
→「日本中のいい
場所を教えたい」
→「人と接する →「世話好き」
のが好き」 →「話していると
元気になれる」
→「ホームステイした時
すぐにうちとけた」
その2 : そのためには?
実現するためには何が必要か、どうしたら良いかを書いていく。
こちらも関係のあるもの同士を線や矢印でつなぐとわかりやすい。
1つ、または複数の理由などから1つの必要なことを導いていく。
例
「NHK 教育テレビ テストの花道 第19回 AO入試対策~自分を伝えるチカラ~」より引用
「計画を立てる → 「企画力」 →
ことが好き」
「郷土料理を
調べて発表した」 → 「地域の暮らしを 「観光について
「日本中のいい → もっと知りたい」 → 学びたい」
場所を教えたい」
「世話好き」 →
「話していると → 「コミュニケーション →
元気になれる」 を学ぶ」
「ホームステイした時 →
すぐにうちとけた」
補足
- 話し言葉にならないように注意する。(参考:第11回 文章を書くチカラ)
- 夢や希望は1つでも複数でも良いし、複数の目標から最終的に複数の理由や実現方法が出てきても良い。
- 理由の部分が2段階になっているが、部分的に3段階以上になっても良い。
- とにかく形式にこだわらず自由に書く。
練習問題の解答例
なし
実践
- 希望の高校や大学、学科などの志望理由を書いてみる。
- 最終更新:2011-02-11 15:31:58