テストの花道 第2回 情報を読み取るチカラ

要約

人間は一度思い込むとそれに左右されてしまうので、読み取った情報が間違っていないかを検証し、情報を正確に読み取れるようにする。


応用可能な範囲

学生:選択問題、文章問題、穴埋め問題など
一般:情報収集、問題点の発見や洗い出しなど


練習問題

花子さんの問題

花子さんの家から学校までは歩いて10分かかる。その日、花子さんは傘をさして学校に行った。ところが花子さんは学校についたとき、頭はもちろん、靴まで濡れていなかった。いったいどういうことか。

階段の問題

1階から階段を使って4階まで来るのに48秒かかった。同じペースで、8階まで上がるのにあと何秒かかるか。


花道の種

その1 : 列挙ムシ

読み取った情報を箇条書きで書き出す。思ったことも全て書き出す(思い込みも書く)。

※ムシの絵を描く時間よりも考えたり書き出したりする時間の方が大切。

その2 : ◯△×をつける

書き出した情報が「合っている」なら◯、「わからない」なら△、「違う」なら×を付ける。客観的に考えることで情報がより正確になる。

その3 : 三回ツッコミ検証

思い込みが入ると正確に情報を読みとれないので、特に◯をつけた情報に対して「何が?」「なぜか?」「本当か?」を問う。この作業によって情報がさらに正確になる。


練習問題の解答例

花子さんの問題

晴れていた、雨は降っていなかった、日傘をさしていた、アーケードを歩いていたので濡れなかった、などが解答として考えられる。

※雨が降っていると思い込んでいると解けない問題。

階段の問題

1階→2階、2階→3階、3階→4階というように、階を1つ上がるのに要する時間は16秒(=48÷3)である。
さらに、4階→5階、5階→6階、6階→7階、7階→8階と上がるまでには16秒×4=64秒かかる。
従って、64秒が正答となる。


実践

  • 文章問題で何を求めたいのか、与えられている条件は何かを書き出す。
  • 絵、写真、図などからわかることを書き出す。

  • 以下の文章から「ボク」と「兄さん」は何かを読み取れ。
阿刀田 高「最期のメッセージ『兄弟』」より

兄さんとボクとは同じ日に生まれた。うん、双生児の兄弟、姿形だって、真実鏡に映したように二人はよく似ていた。でも、気がついたときには、ボクたちはもうはっきりと差別されていた。力の強い兄さん、不器用なボク・・・。ボール投げを教えられたのも、字を教わったのも、絵を描かせてもらったのも、兄さんだけだった。

十歳の時に事件が起きた。兄さんが機械にはさまれて死んでしまった。ボクたちはたった二人っきりの兄弟だったから、兄さんがいなくなれば、今度はボクがパパやママの手助けをしてあげなければいけない。ボクは一生懸命がんばった。今ではもう兄さんと同じくらい、なんでもできるようになった。兄さんと同じくらい力も強くなったし、器用に仕事ができるようになった。

ボクの名前は◯◯◯。兄さんはもちろん◯◯◯という名前だった。
「NHK 教育テレビ テストの花道 第2回 情報を読み取るチカラ」より引用


解答

最期のメッセージ『兄弟』の解答

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列挙ムシの応用例

列挙は分析するための良い補助道具となる。

数学

条件を列挙し、有効に使えていないもの(条件)を×にし、全部○にしたときに答えに行きつく。

英語

英文穴埋めの選択肢の問題で、きわどいものを△にする。

△について

△をつけたということは、根拠が自分でもわからない、理解が達していないところか、何かを忘れている部分である。
従って、自分が何がわかってないかを明確にするためにも良い。

列挙ムシは大切

問題が分からない時、「訳がわからない」を「ここがわからない」にレベルアップ(具体的に)するためにも大切である。


今日の一言

正確な情報を読む時は「列挙ムシ」


テストの寄り道

質問その1 : 


質問その2 : 




  • 最終更新:2011-02-11 13:36:15

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