テストの花道 第21回 つながりを見つけるチカラ

要約

つながりを見つけることで理解しやすくなるだけでなく、覚えやすく、思い出しやすくなる。


応用可能な範囲

学生:歴史、英単語等の理解と記憶など
一般:英文読解、問題点の原因究明など


練習問題

練習問題1

ソファーは、下記の「あるもの」「ないもの」のどちらに含まれるか?

あるもの ないもの
みそ、耳(みみ)、空(そら) しょうゆ、口(くち)、川(かわ)

練習問題2

次の1と2の各人物や事柄について、つながりを踏まえた上で説明せよ。
1.豊臣秀吉 山崎の戦い 後陽成天皇 朝鮮出兵 太閤検地
2.安政の大獄 西郷隆盛 桂小五郎 坂本龍馬 大政奉還

練習問題3

次の単語を2つずつ選んで5組に分け、それぞれについて組にした理由を述べよ。

セ・リーグ、明治、バケツ、電話、ジャイアンツ、大正、熱中症、コップ、メール、猛暑


大学生の話

  • つながりを考えると覚えやすい(手掛りが増えるので思い出しやすい)。
  • 一つだけでなく、関連することも一緒に覚えると、より多くのことが覚えられる。
  • つながりが見つかれば、解き方のヒントになることもある。
  • 手掛りが増えるので思い出しやすい。
  • つながりを見つければ、覚えやすく理解もしやすいので効率が良い。
  • 元素の周期表は縦の列にもつながりがあり、似た性質を持つ。
  • 長文の段落もつながり(対比、因果、順序など)を把握すると理解しやすい。
  • 論述問題は知識ではなくつながりを理解しているかが問われる。
  • 歴史は流れを把握すると覚えやすい(基本的な内容だけの年表に矢印などでつながりを示す)。


花道の種

その1 : 「クイーン掃除だ」

  • く(くくり、A⊂B、類似)
 AはBに含まれる
 AとBは似ている

  • いん(因果、A⇒B)
 AならばBとなる

  • そう(相関、A←→B)
 AとBは互いに影響し合っている

  • じ(順序、A→B)
 Aの後にBが来る

  • だ(大小、A<B)
 AはBより小さい、少ない

その2 : 全てを当てはめなくても良い

上記の「クイーン掃除だ」の全てを当てはめなくても良い。
どれか1つだけに限定して当てはめるだけでも良い。

その3 : 図にしてみる

矢印や記号などを使って図にすると理解しやすくなる。


英単語の意味の推測

多くの単語を覚えても試験などでは必ず見たことのない単語が出てくるので、覚えておいた方が良い。

例1

co:共同の~
  • cooperation:協力
  • company:会社
  • comate:仲間
  • combination:組合せ
  • corporate:法人の
  • codiscover:共同発見する
  • cofactor:共同因子

un:~ではない
  • unhappy:不幸な
  • unlikely:ありそうもない(似たようなのがない、というような意味)
  • unfortunately:不運にも(fortune は運)

pre:前の~
  • precede:~の先に立つ
  • pretest:事前検査

例2

mistranscribe(誤って書き写す)の派生語

mis- 誤って trans- ~の向こう側に scribe 書く
misfile transact ascribe
miscast transduce inscribe
misjudge transcript describe
mishandle transceiver subscribe
misconduct transatlantic transcribe
misbehavior transcendental superscribe
misinterpret transformation circumscribe
misadventure transcontinental oversubscribe

例3

その他の単語
  • precept(前もって取る・警告する)→処世訓・教え
pre- 前に
cept 取る

  • detain(離れておさえつけておく)→拘留する、留置する、拘束する
de- 離れて・下に
tain 持つ・保つ

  • intermittent(間に投げ入れられたもの)→断続的な、時々途切れる
inter- 間に
mit 送る・投げる

  • offer(~のほうへ運ぶ)→提供、申し出
ob- ~に対して
fer 運ぶ

  • insist(~の上に立って譲らない)→主張する
in- ~の中に・上に
sist 立つ

  • monograph(1つのことについて書かれたもの)→研究論文・単行書
mono- 1つの
graph 書く

  • epilogue(上に付け加えられた言葉)→結末・結びの言葉
epi- ~の上に
log(y) 言葉・学問

  • aspect(ある方向を向いてよく見る)→様子・外観・見方
ad- ~に向かって
spect よく見る

  • uncomplicated(一緒に折り重ねられていない)→複雑でない・単純な
un- ~でない
com- 共に
ply 折る

  • nonexetenced(外に広がっていない)→延長されていない
non- ~でない
ex- 外に
tend 伸ばす・引く

  • reproduction(再び前に導かれたもの)→再生産・複製品
re- 再び
pro- 前に
duct(duce) 導く

  • indisposed(分離して置くことができない)→気が向かない
in- ~でない
dis- 離れて、分離して、別々に
pose 置く、処理する

  • oversufficient(充分にされた状態を超えている)→過剰な
over- 超えて
sub- 下に
sic(t) 作る・なす

  • mistranscribe(誤って向こうに移して書く)→誤って書き写す
mis- 誤った
trans- 超えて
scribe 書く


補足

ミネソタ大学(アメリカ)のJames I. Brown博士の研究によると、次の14語に含まれる接頭辞や語幹が14,000語以上の単語に見られ、20の接頭辞からはおよそ100,000語が作られたらしい。

単語 接尾語 語幹 起源
precept pre- cap, capt, cip, cept ラテン語
detain de- tent, ten, tin, tain ラテン語
intermittent inter- mit, miss, mitt ラテン語
offer ob- fer ラテン語
insist in- sta, stat, sist ラテン語
monograph mono- graph, gram ギリシア語
epilogue epi- log, ology ギリシア語
aspect ad- spect ラテン語
uncomplicated un-, com- plic, plex, ply ラテン語
nonextended non-, ex- tens, tend, tent ラテン語
reproduction re-, pro- duc, duct ラテン語
indisposed in- (im-), dis- pos, pon ラテン語
oversufficient over-, sub- fac, fic, fact ラテン語
mistranscribe mis-, trans- scribe, script ラテン語


練習問題の解答例

練習問題1の解答例

「あるもの」には音階が含まれると考えれば、ソファーは「あるもの」に含まれる。
みそ→ミ、ソ
耳(みみ)→ミ
空(そら)→ソ、ラ
ソファー→ソ、ファ

練習問題2の解答例


練習問題3の解答例

1.セ・リーグ、ジャイアンツ
  理由:ジャイアンツはセ・リーグに含まれるから(くくり)

2.明治、大正
  理由:どちらも年号だから(くくり)、あるいは、明治の次が大正だから(順序)

3.バケツ、コップ
  理由:水などを入れる物だから(くくり)

4.電話、メール
  理由:どちらも携帯電話でできることだから(くくり)、あるいは、どちらも連絡手段だから(くくり)

5.熱中症、猛暑
  理由:どちらも夏や暑さに関係していているから(くくり)、あるいは、猛暑になると熱中症にかかることがある、という因果関係があるから(因果)


実践

  • 過去に理解できなかったことに対して応用し、理解できるようにする。
  • 英単語でよく見かける接頭辞、語幹、接尾辞を覚えて、新たな単語の意味を推測する。


  • 最終更新:2011-02-11 15:33:42

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