テストの花道 第28回 伝えるチカラ

要約

全体的なことを説明してから部分的なことを具体的に、相手にわかるように、順番に説明することで伝わるようにする。


応用可能な範囲

学生:プレゼンテーション、国語の問題、英作文、数学の証明問題、小論文など
一般:プレゼンテーション、コミュニケーション、企画など


大学生の話など

  • 採点者が見てわかる解答であることが点数につながる。
  • 他人に説明できないということは、本人が理解できていないということと同じ。
  • 採点者がわかっているものとして省略すると減点されることがある。
  • 解答用紙は採点者宛のラブレターのようなもので、丁寧に、わかりやすく、伝えたいことを全て書くと良い。
  • 伝えるチカラのある人は、要点を的確にに言うことができる。
  • 伝えるチカラが足りないということは、インプットはできてもアウトプットができないということ。
  • インプット(勉強、暗記、記憶)してもアウトプット(解答、思い出すこと)ができなければ意味がない。
  • 聞いて理解して覚えるまでが入口とすると、出口は書いて説明して伝えることだと言える。
  • 解答を書く時に”伝えるチカラ”が必要になる。
  • 正しく理解して伝えることが大切”(引用)
  • 上手に話すこと(話術)だけが伝えること(伝えるチカラ)ではない。

  • 同じ言葉でも、自分の理解(解釈)と他人の理解(解釈)が少しずつ異なる。
  • 国語などで「自分の解答と模範解答の内容は同じだ」と感じているのに採点ではバツとなっていた場合は、採点者に自分の考えなどが伝わっていない(「伝えるチカラ」が足りない)か書き方に問題があると考えられる。
  • 自分にだけわかる説明では相手に伝わらない。
  • 自分の言葉で上手く書けない時は、他人の文章を一部引用し、その前後を自分の言葉でつなげるように書くと良いかもしれない。
  • 英作文などでは、日本語をそのまま訳すことが難しいので(逆の和訳の時も同様)、慣れない内は英語で書けるような日本語の文章にしておいてから英訳するという方法も良い。
    (例:自分が使える、知っている単語や熟語などを使って、日本語の文章を英語の文章が書きやすいように何度か書き直す(表現し直す)。その後で日本語の文章を英訳する。)
  • 面接などで難しい単語や理解していない言葉を使おうとすると混乱するので、普段から比較的近い人と何度も話し合うなどして自分の言葉だけで説明できるようにしておくと良い。


練習問題

丸、三角、四角、矢印など、大きさも色も形も様々な図形をいくつか描いたものを見ながら、その図形を見ることができない人に言葉だけで同じ図形を描けるように説明する。

※この時、説明する側は他者の声などが聞こえないようにする。ちなみに、このようなことは宇宙飛行士の訓練や試験にも使われているらしい。


花道の種

その1 : 全体から部分へ

詳細から言われると全体がわかりづらいが、全体を説明してから詳細を言うとわかりやすく、伝わりやすい。
伝える側は全体像を分かっているが聞く側は全く分かっていない状態であるため、説明されても理解出来ない場合がある。このことを忘れてしまうと伝わらないことが多いので注意する。

例:
  • 全体の説明
    • 紙は横長の状態で使う
    • 描く図形は全部で3つ
    • 最も大きな図形は三角形

  • 詳細の説明
    • 紙の端からどの程度離れているか
    • 一辺の長さがどのくらいの図形か
    • 図形の向きはどうなっているか
    • 他の図形からどの程度離れているか
    • 輪郭だけを描くのか、塗り潰すのか

補足

  • 「描いて下さい」というまで描かないように約束する
  • 説明全体の流れを伝える
    例:図形の数やその形などの全体像、説明する順番(下記)、実際に描く図形の説明
  • 説明する順番を決め、毎回同じ順番にする
    例:位置(端からどのくらい離れているか)、向き、大きさや長さ、色、形


その2 : 小さく具体的に

詳細(部分的なこと)を説明する時は具体的に伝える。
抽象的な感覚(「かなり」「ちょっと」「大きい」などの形容詞、感覚的な表現)による説明だと人によってその感覚がそれぞれ異なるため、正確に、あるいは同じように伝わらないので、相手にわかるような具体的な基準(長さ、形、方向など)で説明する。

その3 : ナンバリング

伝えたいこと、伝える内容に優先順位を付け、その順番に沿って伝える。
最初に伝えたい事の数(全体像)を言ったり身振り手振り(手でその数を示すといった動作)を加えたりすると、より伝わりやすくなる。


補足

  • 1分間クエスチョン(時間を限定して一問一答形式で次々に答えていくというもの)で図形以外のことを説明する練習をするというのも良い。
  • 相手が何を知りたいのかをより正確に把握、理解することで、伝えるべきことが見えてくる。慣れてくると自問自答によっても、同様のことができるようになる。
  • 誰かに説明しようとすると、絵を思い浮かべたり何かに例えようとしたりして連想するので、覚えやすくなるだけでなく、思い出しやすくもなる。


練習問題の解答例

なし(ほぼ同じ図形が描ければ良い)

  • 大きさ、色、形、向きなどが、より近い状態になれば良い。
  • 全然違うと感じるなら「伝えるチカラ」や「聴くチカラ」が不足していると考えられる。
  • 同一(全く同じ)になるように「目指すこと」が重要なのであって、同一にすること自体に意味は無い。


実践

  • より少ない言葉で、あるいはより短い時間で説明できるようにする。
  • 「テストの花道」とはどのような番組かを説明する。
  • 志望理由をわかりやすく書く。


今日の一言



テストの寄り道

質問その1



質問その2




  • 最終更新:2011-07-22 00:11:11

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